7.2 睡眠時間はどのくらいがベストか?

更新日 2021年5月5日


難関大合格者はどのくらいの睡眠時間を取っているか?

勉強時間の次に気になるのは、「睡眠時間はどのくらいとればいいか?」だと思います。

ネットだと、1日2~3時間睡眠で鬼のように勉強した人の武勇伝がたくさん出てきますが(笑)、実際に難関大に合格した人はどのくらいの睡眠時間を取っていたのか見てみます。


『睡眠時間』別の『第一志望の合格/不合格』を以下に示します。



合格者で最も多い睡眠時間は6時間~7時間未満でした。

合格率が高かったのは、7時間~8時間未満、8時間~9時間未満でした。



まだ信じられない人のために、海外の論文も紹介します。

アメリカのNorth Texas大学が、『睡眠時間』別の『大学の成績』を調査しました。


結果は見ての通り、成績が一番よかったのは7時間睡眠でした。

7時間の睡眠を取ることが重要なのか、または7時間の睡眠を取れるほどに集中して勉強することが重要なのか、はこのデータからは分かりませんが、いずれにせよ7時間は寝た方がいいし、7時間寝れるようなスケジュールでやった方がいい、という示唆にはなります。

ただし、難関大の合格者といえども1日の勉強時間は9時間ほどであることを考えると7時間の睡眠を取ることは無理なく実現できる話と思います。
<7.1 難関大合格者の勉強時間は?>


ところで、7時間は皆さんがイメージするガリ勉の睡眠時間より長くないでしょうか?

ネットなどで、1日2~3時間睡眠で、16時間ぐらい勉強した人の話をたくさん見ますよね?

それは極端で人と違う経験をした人ほどネットで発信するからです。

逆に「普通に7時間ぐらい寝ていて合格したよ」なんてことは、あまり発信されないし、普通すぎてバズりもしません。

ネットやTwitterは、極端な情報ほど、発信されやすく、バズりやすい、ということを覚えておいてください。

無責任に情報を発信して、誰にでもあてはまる事実のように言う人には怒りの感情すら抱きます。

決してそんな情報に騙されて人生や健康を棒にふってはいけません。



睡眠と勉強に関してはこちらもご覧ください。
寝ることで、数学などの解法が思いつきやすくなる、という研究です。
<10.4 寝ると解法が思いつきやすい>




本当に恐い『睡眠時間』と『死亡リスク』の関係

前の章では、『睡眠時間』と『合格率/成績』を見てみました。

『睡眠時間』と『死亡リスク』の関係も研究されているので紹介します。


海外の論文で、152.7万人の分析をして『睡眠時間』と『死亡リスク』の関係が分析されました。



その結果、睡眠時間が7時間の人がもっとも死亡リスクが低いことが分かりました。

さらに、睡眠時間が短いと死亡リスクが上がるのは意外ではないと思うのですが、睡眠時間が8時間を越えると、睡眠時間が長いほど死亡リスクが高いことが分かりました

11時間以上寝る人は、睡眠時間7時間の人よりも1.5倍も死亡リスクが高いことになります。

(これも11時間以上寝ることが悪いのか、11時間以上寝なければならないほど疲れることが悪いのかの因果は分かりませんが)


勉強の観点だけではなく、睡眠の観点でも、睡眠時間は7時間前後がベストであることが分かります。


なお、なぜ8時間以上寝ると死亡リスクが高くなるかは、副交感神経が弱るからなどの説がありますが、具体的には分かっていません。

睡眠については、研究の世界でも分からないことだらけなんです。



また最近の研究では、遺伝的に必要な睡眠時間にバラつきがあることが分かっています。

なので7時間より短くても、集中力が続く人はいるかもしれません。

ですが、統計的には7時間前後の睡眠がもっとも合格率が高いし成績もいいし死亡率も低い、という事実を元に、自分が特別ショートスリーパーだと思わない限りは7時間睡眠を心がけてください。




1日8時間は自由時間がある!

睡眠時間は基本は7時間程度がよいと伝えました。

また以下で示した通り、難関大を受験するには休日には1日9時間程度の勉強時間が必要でした。
『7.1 難関大合格者の勉強時間は?』

「勉強時間が9時間」というと大変に思いますが、24時間 - 7時間(睡眠) - 9時間(勉強) = 8時間

つまり1日の自由時間は8時間もあるわけです。

この8時間は、部活をやるでも、友達と遊ぶでも、音楽の練習をする、でも本当に自由にしていいわけです。

むしろ、難関大に合格する人は、勉強以外に熱中している趣味をもっていて、だからこそ時間のコントロールの意識が強い人が多いように思います。

勉強ばかりの高校生活ではなく、興味あること、遊びに思いっきり時間を使ってください!



本コラムのまとめ

  • 1日の勉強時間は、成績/健康の観点からも7時間前後がベスト
  • 勉強時間が9時間としても、1日8時間は自由時間があり、勉強以外の趣味/遊びを楽しんでいい